風が抜ける。
屋上 フェンス 給水塔の陰
普段は軽薄に笑う口元が表情を無くして。
低く燻る光を双眸に宿して。
唇に触れた熱、たゆたう夏の空気よりも確かな温度。
輝いて濃く輪郭を見せる髪、翳る首筋とその先の
空 入道雲 太陽の横暴
「――逃げへんの?」
「逃げられたかったか?」
「どないして」
「日差しが強すぎて、目が眩んだから」
涼河は夏が大好きです。屋上も大好きです。
これでも忍跡だと言い張る。
最後の跡部様のセリフを、深読みしていただけたら嬉しおす(お酢)
2006.08.24 涼河