ここんとこ最近、 おいてかれた気がしてた。 ROUND13:ずっと 夢を、みた。 ひとりぼっちの夢。 一緒にいたはずの人がいない。 「景ちゃん」 「亮ちゃん」 声は、はいいろの空にすいこまれて、消えていった。 ずっと一緒にいると思っていた人たちは、先に行ってしまった。 おれは、ひとり、残されちゃった。 「おい。」 あれ、今だれかおれを呼んだ? 「何やってんだよ、ジロー。」 その声は… 「…んん…景ちゃん?」 目をあけたら、 大好きな人の顔。 彼女は、盛大なためいきをついて言った。 「…あのなぁ、学校にも来ないでこんなトコで寝てんな!」 ああ、そうだ、おれ、いま公園にいるんだった。 幼稚舎のころ、3人でよくあそんだ公園。 景ちゃんは自分のケータイを見ておれに言った。 「亮ももうすぐ来るって。」 どうも、景ちゃんと亮ちゃんは手分けをしておれをさがしてたっぽい。 「さがした?」 目をこすりながらベンチから起き上がって、景ちゃんに聞く。 景ちゃんはスペースができたベンチにどっかと座った。 「あったりまえだ!」 またも盛大なためいき。 おれはちょっとびっくりして、景ちゃんのほうを向いた。 「あたりまえ??なの??」 景ちゃんは理解不能な顔をして、また、ちょっと困った顔をして、言いづらそうに言った。 「…はぁ?まぁ…なんつーか、昔からそう…じゃねぇか。」 コトバの最後のほうは、だんだん声が小さくなってって、聞こえにくかったけど。 「まだ、さがしてくれんの?」 景ちゃんはますます理解不能、って顔をして、俺の顔をのぞきこんだ。 「ジロー、お前、最近おかしいぞ。」 「え、そう?」 たしかに、おかしかったかも。 なんか、亮ちゃんは長太郎にとられた気がして、 そしたら今度は、景ちゃんが誰かにとられちゃう気がした。 なんか、ひとりな気がして。 妙に焦って。 「…あのなぁ、俺も、亮も、どこにも行かないんだぞ。」 「へ?」 カクシンをつかれたようなそのコトバに、ドキリ、とした。 「その通り、だな。」 おれと景ちゃんいがいの声がして、見上げてみれば。 「亮ちゃん!」 「まったく、心配かけすぎなんだよジローは…つーかそろそろ名前で呼ぶのやめてくれ恥ずかしい…」 景ちゃんと宍ちゃんが、やれやれ、って感じの目でおれを見た。 「まったく、お前ってやつは…」 なんだ、ひとりな気がしてたのは、気のせいだったんだ。 景ちゃんは、ずっとそばにいてくれてた。 あと、亮ちゃんも。(ってオマケみたいに言ったら怒られるかなぁ?) なんだか、とっても安心した。 よかった。 「ホラ、帰るぞ、ジロー。」 「1日中寝てたクセに眠そうな顔してんじゃねぇよ。」 家までの道のりを、昔みたいにみんなで並んであるく。 夕暮れも、亮ちゃんも、景ちゃんも、昔とぜんぜん変わってない。 「ね、おれがまたどっかに行っちゃったら、また探してくれる?」 「はぁ?ざけんじゃねー、自力で帰って来い。」 「えへへ。」 「きっもちわるい笑い方すんな!」 「だってうれC〜んだも〜ん。」 うれしくてたまらんないから、景ちゃんの手を握ってあるいた。 握り返されるその手は、一生はなされることはない。 夢を、みた。 景ちゃんと、亮ちゃん、 そんでもって、俺。 あおぞらの下、 どこまでも歩いてゆく夢。 ★ ROUND14(次) ★ ROUND12(前) ★ LOVE FIGHT!top ★ contents スイマセンスイマセンスイマセン! 更新してませんでスイマセン!! 謝りだおし!!(死) 必殺、ジャンピング土下座ァァァァ! (すいません、マジで反省してます…) えーと、ジローはまぁそんなワケで戦線離脱。 涼河に任されたのはいいけれど、こ、こんな終わり方でよかったのかな?? え、ちょ、なんか、ごめんね?! ちょっとやわらかい色に変えてみた。 ジロー狙いだった方(はァ?!)はこれがEDですね〜 こんな話を女体じゃなくてフツーので書きたかったりしてました。 05.06.04 ふうた いろいろ勘違ってたので、6月25日に訂正。 |