「あった!3組!!」

「てコトは、ハギだけ本館〜?!」

「離れちゃったね…」

「いいじゃねーか部活で毎日会うんだからよ。」

「それもそうだけどさー。」


★ ROUND15:進級 ★


4月。

跡部たちは3年に進級し、新しいクラスが発表された。
新しいクラスが記してあるプリントを見ながら、
跡部、岳人、滝、そして隣のクラスから来ていた宍戸の4人はああだこうだ言い合った。

「さて、新しいクラスに移動しなきゃな。」

跡部がそう言って、席を立ち上がると、岳人と滝、宍戸もそれに続いた。

「じゃあまた部活で!」

教室から出ると、滝は皆と別れ、歩き出した。
毎日部活で会うのだから、別に寂しいわけではなかったが、少々心細く感じた。


「あ、忍足。」

滝が廊下で忍足の後ろ姿を見つけて、話しかけた。

「なんや、滝やん。オマエも本館?」

「うん、3組。忍足は?」

「5組。このクラス割り、誰がしたか知らんけど、ホンマええ仕事しはるわ〜。」

忍足は憎たらしさ半分、嬉しさ半分でそう言った。
滝は、その発言をよく理解できず、こう返した。

「?景と棟が違っちゃって嘆いてるかと思った。」

「最初はそう思たんやけど。」

忍足はそれ以上は言わなかった。
滝が続きを訊こうかどうか迷っているうちに、3年5組の前に着いてしまった。

「ほな、また部活で。」

「うん。じゃあね。」

忍足は教室に入ってゆくと、さっさと自分の席に座り、新館の方に目をやった。

(やっぱりや、こっから景ちゃんのクラスが見えよる!)

忍足の計算からいくと、跡部の席も見えるハズなのだ。

「ま、これもやりがいあってええわなぁ?」

彼の独り言は、騒がしい教室の中では誰の耳にも届かなかった。


男子テニス部部長・忍足侑士、今年が勝負の年である。

テニスも、恋も、今年が勝負。

負ける気はしなかった。




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<補足>
3年生は、1組〜5組が本館、6組〜13組が新館に教室があると捏造。
滝…3組/忍足…5組/跡部様+宍戸…6組/ジロ+岳…10組
長太郎…2年13組/ヒヨ…2年5組/樺地…2年3組
滝と忍足、2年生の長太郎、日吉、樺地が本館、跡部様を含むその他の帝っ子が新館です。
校内見取り図なんて無意味なモノがココに(死)



「更新が遅くてスイマセン。」と私が言うのは何回目だ…!凹
今回のROUNDで鳳宍ネタを思いついて独りでムフムフしてました(死)
文字より絵で描きたいなぁ、と。
8月に入ってからだろうな、このネタ描くのは。
ジローが出てこなかったのはどこかで寝ているというコトにしておいて下さい。
だってあの子だしたら収拾つかなかったんだもん(力不足)
てか、進級おめでとうございます。
これでLF!の帝っ子たちも最後の夏を迎えることになるのですね。

05.07.12 ふうた