「よ、景。」


氷帝の白いブレザー以上に目立つ白い学ランを来た"跡部のカレシ"は冬の太陽みたいな笑顔で校門に立っていました。


★ ROUND9:ジローの発見 ★


「健太郎?!どうしたんだよ、急に。」

景ちゃんが驚いた様子で"カレシ"に話しかけました。
"カレシ"はケンタロウと言うらしい。
…ん〜コイツ、どっかで見たことあるような…
けんたろう…けんたろう……
あ!
いとこ(景ちゃんの)!!
ずっと会ってなかったから一瞬わかんなかったけど!(目のあたりが小さい頃そのまんま!)

「超なつかC〜!!」

懐かしさのあまりに声に出してしまいました。ついでに2人の会話の妨害成功です。
けんたろうは俺が突然出した声にちょっとびっくりして、こっちを向きました。

「…あ!お前芥川慈郎だろ?!テニス強いよな!ついでに景と幼馴染の!」

「そうそう!ジロー!」

この場合テニスが「ついで」の方がうれしかったけど、まぁいいや。
つかなんでけんたろうは俺がテニスやってるの知ってるのかな?

「元気だった?」

「元気元気!そっちも元気そうだな!」

彼とは小さい頃よく遊びました。
昔からお兄ちゃんみたいな感じで…って今もお兄ちゃんみたいなワケね。
どいつもこいつも背ぇ高いっての!
景ちゃんより背ぇ低い俺ってこの中で一番可能性低くね?

「つか、付き合ってたんだ?景ちゃんとけんたろう。」

「あ?あぁ、そうだ。…以外か?」

「別に〜」

答えた景ちゃんがなんだか顔色悪いのは気のせいでしょうか。

「あ、それで景、これから暇か?暇だったら一緒に…」

「そうだな、一緒に帰るか。」

……あーなるほど、そういうコトね。
このカラクリがわかったぞ、たぶん。
と思っていたら蚊帳の外に置かれていた(ちょっとかわいそう)忍足がやっと口を開きました。

「…ほな、俺らはここで失礼するわ。行くで、ジロー、ちゅーかちょっとこっち来いや。」

「え?!何で〜?俺けんたろうと話したいー!」

忍足に強引にひっぱられて俺の体は景ちゃんとけんたろうからどんどん遠ざかっていきます。
なんなんだよクソクソ忍足!…ってこれはガックンだ。
んーしかたない…

「ばいばーい、景ちゃん!けんたろう!けんたろう、こんど一緒にあそぼうねー!!」

「フン、はしゃぎやがってジローの奴。じゃあな、ホラ行くぞ健太郎。」

「あ、ああ。またなー芥川!!」

で、忍足に中庭まで連れてこられた俺は色々訊かれました。
「アイツと跡部って何なん?幼馴染か?」

「ジローもアイツのこと少しは知ってんやろ?教え?」

しつこく訊かれたけど、けんたろうがあとべのいとこってコトも、さっき発見したコトも教えてあげませんでした。
ここで教えちゃうほど俺はバカじゃありません。

「ほな、ジロー、教えてくれたら背ぇ伸びるコツ教えたるわ。な?ジロー、教えてや?」


…家に帰ったら牛乳飲も。



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南さん再登場シーンをいかにかっこよく見せるか"が課題でした。
…無理v
てかジロー視点多いな私…
(ジロ好きな私は自然とジロに流れていきますスイマセ…)
因みに地味'sらしく、南さんはジローにテニスでは認知されてません(笑)
そしてジロも跡部様もワンピ(再)をすっかり忘れてます。
チョッパーなのに!!(笑)
さて、次は待ちに待った彼の登場だ☆

05.02.03 ふうた